患者さんの気持ちになるために経鼻胃管を入れてみた話。
医療者として病棟で働いていると感覚がマヒしてきます。
このブログをご覧になっている人の多くは日常的に病院へ受診、入院している人は少ないだろう。
多くの人にとって受診も入院も手術も「非日常」だと思う。
「日常的」に患者さんに対して苦痛の発生するケアを行っているんです。
俺たち看護師はそれが「日常になりすぎて」苦痛が発生することに気が付けなくなる。
気が付いても「またか」といった気持ちになる。
俺自身、悪い意味で看護師に染まってしまった。
慣れって言うのだろうか。
例えば、患者さんが点滴の刺入部が「痛い」と言っても「腫れていないし赤くなってもいないからもう少し様子を見よう」と自分の業務を優先することもあるんですよね。
病棟での患者さんは1人ではないのでその対応が間違っているかどうかはわからないんですけどきっと正しくはないと思うんですよね。
検査や処置の時に発する他人の「痛い」や「苦しい」が日常になるんです。
日常になるとその「苦痛」に気が付くことができたうえでスルーしたり、そもそも気が付けなくなってしまうんですよね。
そこで、患者さんの気持ちになるために個人的にいろいろやってみています。
▽過去記事
というわけで…
患者さんの気持ちになるために経鼻胃管を入れてみた話。
俺、内科の急性期病棟で看護師をしています。
疾患によっては鼻から胃や腸まで数十センチの管を数日間入れる治療などをします。
多くの患者さんがそれは苦しいって言うんです。
考えてみ?
鼻から腸まで管が24時間ずっと入ってんだぜ?
そりゃ苦しそうじゃん。
百聞は一見にしかず。
入れてみた。
必要物品。
・経鼻胃管
・潤滑剤
・手袋
こちらのチューブを鼻から消化器官まで入れるんです。
鼻からやぞ????
痛くないわけがない。
さっそくやってみました。
まって。
太すぎん????
うどんくらいあるんですけど~。
震える手で鼻の穴にタックルを決める。
くっそこえええええええええええええ。
痛いのわかってるもん。
まずは数センチ鼻の穴に入れる。
この時点でめっちゃ涙目。
数センチ入れるとあれよ?
引っかかるの。
インフルエンザの棒を突っ込まれて涙目になるスポットに。
もうね。
ほんとに痛い。
涙と鼻水とが洪水。
泣きながら先に進める。
今度はあれよ。
喉のところで違和感が仕事してる。
のどの痛みと気持ち悪さ。
嘔吐反射で無限にえずく。
それをずるずると入れていく時間は無限だった。
50㎝の地獄。
入れきったら入れきったで胃部不快感すごい。
まじで無理。
今回は胃に入っていることを空気で確認したらすぐに抜いた。
ちょっとまってよ~
抜いてもまだ喉と鼻が痛いんですけど。
シンプルにつらい経験だった。
こんな感じに経鼻胃管を入れてみました。
患者さんは疾患の苦痛に加えて治療での苦痛も体験する。
しかも、すぐに終わるわけではなくて期間が長かったりする。
身体的な苦痛を和らげるために何ができるか。
精神的な苦痛を緩和するために何ができるか。
今回の体験を通してそれを考えながら看護をしてたらきっとかっこいい看護師になれると思いました。
こんなにしんどいって知ってたら患者さんへの声のかけ方や関わり方が少し変わってくるな。
めっちゃ痛かったもん。
鼻水と涙でずるずるになりながらの患者体験は思うところがありました。
ご覧いただきありがとうございました。
こんな感じに看護師や病院のことについて発信しています。
白衣を脱いだらフリースタイルです。
人生は楽しい方が楽しいと思っています。
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改めて閲覧ありがとうございました!
かっこよくて優しい人になりたいです。
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