損しない民間医療保険の考え方(医療保険を組む前に)
お久しぶりのブログ更新です。
少し前に看護師をやめて保険営業に転職しました。
保険ってよくわかんないなーと思いながら勉強していましたがあることに気が付きました。
これほとんどの人がむだに医療保険かけてね??
てか、適正な保険を組む以前に公的なサービスについても知らないのでは?と。
そこで医療現場を知っている元看護師の保険営業が学んだことをつらつらと書いていけたらいいなと思います。
個人的には保険は必要なだけの額を最小限かけて、残ったお金で自己投資や遊びなどに使ったほうが幸福度は高いと思っています。
目次
今回は公的医療保険について説明をしていきましょう。
入院費用の負担を軽くすることができる制度
健康保険制度による3割負担
日本には国民皆保険制度があり「健康保険証」が配布されます。これを医療機関にかかった際に病院や薬局の窓口に提示することで、医療費の自己負担額が軽くなります。6歳から70歳未満の人は、所得に限らず3割負担です。
とってもありがたいですよね。
この制度のおかげで風邪の時の受診や歯医者での治療が安く済んでします。
しかし…!!
基本的に3割負担といっても、入院した場合など医療費が高額になる場合は家計を圧迫してしまう恐れがあります。
それを回避するために「高額療養費制度」というものがあります。
高額療養費制度とは
ひと月の医療費を窓口で自己負担して支払った後に、あらかじめ決められた月ごとの自己負担限度額を超える部分について、後で払い戻しを受けられる制度です。
ちょっと難しいですね。
簡単に言えば、3割負担がさらに安くなる制度です。
ただし、高額療養費制度は保険診療にかかる部分のみ対象となりますので、後述する入院時の食費負担や差額ベッド代などは含まない点に注意しましょう。
少し見にくいですが下記が収入と高額療養費制度を使用した場合の自己負担金です。
<70歳未満>
年収約370~約770万円:80,100+(医療費-267,000)×1%円
※多数回該当:44,400円
~年収約370万円:57,600円
※多数回該当:44,400円
住民税非課税:35,400円
※多数回該当:24,600円
※多数回該当…直近12カ月で3回以上高額療養費制度の払い戻しを受けている場合、4カ月目に該当したときの金額
上限額は世帯や個人の所得により異なりますが…
69歳以下で一般的な収入の人なら、
上限の目安はひと月で8万円台となります。
この高額療養費制度は手術などをした場合にも適応されるのでご安心ください。
手術や点滴、リハビリをしても高額療養費制度を使用すれば治療費は9万円程度で済むんです。
入院して手術をしても治療費が8万円台におさまる??
この金額を高いと思われましたか?
それとも安いと思われましたか?
みんなが納めてる税金のおかげで治療費がこんなに安く済むんです。
さらに付加給付という制度についてもお伝えしましょう。
付加給付制度
大手企業などの健康保険組合において、1ヶ月間の医療費の自己負担限度額決めておき、限度額を超過した費用を払い戻す制度のことを言います。
国民健康保険の高額療養費制度による払い戻しに、さらに上乗せして独自に「付加給付」を行っているということになります。
…ちょっと難しいですね。
一例ではありますが教職員や消防士、警察官などは付加給付によって
1か月あたりの入院費用の自己負担は2.5万円で済みます。
8万円代だったものがさらに安くなるんです。
驚き。
ただ悲しいことにこの制度を知らずにたくさんの医療保険に入っている人も多いです。
同時に、保険営業もこの制度を知らずに保険提案をしている人も少なくないです。
公務員の方や大企業の方はぜひ 職場に確認をしてみてください。
医療機関等の福利厚生
付加給付制度とはまた違ってくるんですけど医療従事者などは職場の福利厚生の一環として職員の入院費用等が返還され、自己負担なしで治療を受けることができるケースもあります。
筆者が看護師として働いていた前職場の病院もそうでした。
こちらも ぜひ職場に確認をしてみてください。
公的医療保険で負担できないもの
ここからは健康保険で支払うことができない差額ベッド代と病院食について触れていきます。
差額ベッド代
差額ベッド代というものをご存じでしょうか?
多くの病院は個室や2~4人部屋を希望すると差額ベッド代と呼ばれるベッド代が掛かります。個室の場合はおよそ1日あたり7000円程度掛かると言われています。
保険営業の中にはベッド代のことを考えて日額を大きくしましょう…と提案をする人もいます。
ここで注意したいのは差額ベッド代と呼ばれるものはすべての病室で掛かるわけではないのです。
全国の病院のうちの20%が有料の差額ベッドになっています。
残りの80%は料金がかからない部屋になっています。
また、OPE直後の経過観察を目的とした医師の指示での個室使用などは差額ベッド代を請求することができません。同時に病院に空きベッドがなく病院都合で個室に入院した場合も同意書を交わしていなければ原則として差額ベッド代を請求することができません。
ですので個室等を希望されない場合、差額ベッド代は掛かりません。
これも保険営業はあまり教えてくれない情報です。
もうひとつお伝えしたいものがあります。
病院食の費用
一食あたりの病院食の自己負担金額は現在460円です。
1日3食摂取するとしても1日1380円は健康保険の対象外になるため自己負担になります。
こちらも実は自己負担なんですね。
意外ですよねー。
入院した際、実際に支払う費用
「治療費」+「差額ベッド代」+「病院食」+「生活するうえで必要な雑費」が入院の際に必要な金額となります。
一般的な収入の方が高額療養費制度を使用され個室等を希望されなかった場合は…
治療費のおよそ8万円程度+1食460円の食事代が自己負担額になります。
治療の内容にもよりますが1回の入院費用の総額は
おおよそ10万円程度ではないでしょうか?
付加給付制度を使用することができる公務員や一部大企業職員はさらに少ない自己負担金額となります。
思ったよりも安く治療できると思いませんでしたか?
この部分をしっかり知っておかないと無駄な保険に入ってしまい医療保険では損をしやすくなります。
入院したらこれくらいお金が必要だから…と説明されて民間医療保険の日額の部分を5,000円や8,000円、10,000円で組んでいる人も多いのではないでしょうか?
それ、ほとんど無駄になります。
いや、無意味ではないんです!
ちゃんと保険料を支払った分、入院した時には保険金が支払われます。
ただほとんどの契約は毎月支払う保険料に対して受け取る保険金のほうが少なくなることが多いです。
次回は民間医療保険の組み方について説明をしていきます。
次回もお楽しみに!!
過去記事ではこんなものを書いていたようです。