弟が優しくてかっこいい話。
2つ年下の弟がいる。
どう説明すればいいかわからないけど。
とてもかっこよくてあこがれていた。
今でもかっこいいなって思っているしあこがれている。
見た目も悪くないと思う。
勉強も運動も努力ができる弟だった。
それに周りにはあほみたいに人がいた。
あれだ。
学校の中の人気者グループってやつだ。
他校にも友達多くてなにその交友関係ってなるやつ。
リア充かよきみ。
そんな弟に比べると俺は努力もすることなくなんとなくぼんやりと毎日を過ごしていた気がする。
輪郭がぼんやりとした毎日だった気がする。
なにかを全力でやりきった経験がなかったな。
努力の方法を知らなかったというのだろうか。
成績を上げるために勉強をしようとするがそもそも勉強の仕方がわからないみたいな感じだ。
高校を卒業した後は家族に医療従事者が多いこともきっかけになり地元をでて他県の看護学校に入学した。
看護師になろうと思った理由の1つに親父が手に職を付けろって言っていたこともある。
なんだかんだあって看護師免許を無事に取得。
なんだかんだあって当時付き合っていた恋人と結婚をするつもりで県外に追いかけてそこで就職したら別れた。
人生そんなもん。
他県に恋人追いかけて行ったのに別れた話はそこそこにネタになる。
もしそのまま結婚していたら自分自身の人生経験や知識や余裕がなくてその子のことを大事にできずにもっと傷つけていたんだろうなって思う。
いやほら、若い時って「愛してる」とか「結婚しよう」って言いがちやん?
あれ今思えばよく言えたよなって感じに思う。
本当に大事に思うのであれば言葉だけじゃなくて行動にするべきだよね。
誠実さを。
相手を大切にしたいという気持ちを。
ああそうか、いわゆる口だけの男だったんだな。
今よりもっと頼りにならない男だった。
そんなんビチグソ丸やんけ!!!!
ブログを書いていると昔の自分を思い出してとっても恥ずかしくなる。
なにはともあれ現在は昔よりはちょっとだけ成長してるような気がする。
少なくとも昔に比べて自分の人生を全力で生きている自信がある。
前置きが長くなってしまった。
今日はよくできた弟の話だ。
高校卒業後は地元から遠く離れた九州の大学に入学しそれはそれはパリピ感があるインスタグラムを更新するような弟だった。
周りにいる男も女も顔面偏差値たかくね?
パリピ感がすごい。
陰キャな兄太朗はおびえていた。
ずっと前から弟みたいになりたいなって思っていたのはまだ内緒だ。
かっこよくて優しい男になりたいと思っている。
そのなりたい自分像の一部には弟がいる。
昔はどこか羨ましく見ていた彼が持っているものをマネして自分のものに落とし込めばもっとかっこいいお兄ちゃんになれるのかなって思っている。
この独白はほんとに恥ずかしい。
ある日、急に通話がきた。
「もしもし? 兄貴、ひさしぶりやね」
どことなく元気がない声がする。
話を聞くとこうだった。
「自分が大切にしたいと思っている人を大事にできていなかった自分に気が付いた。その人に対して自分はどうすればいいかわからない」
おま、どしたん?
くっそかっこいい男になってるやん。
俺の2つ下やろ?
年齢はあくまでも数字で人生の経験値がその人の価値を作っていると考える兄は感動しました。
「大事にできてなかったって?
それに気が付けたならもう大丈夫じゃね?
お前がしたいと思ったようにすればいいよ。
その子が何をしてほしいかもうわかってんじゃん」
相談って形で連絡をしてきたのだけども、弟はその相手に本当に何をするべきかわかっていた。
なんというか答え合わせをしたかったんだろうなって感じがした。
「本当に相談するべき人は近くにいたんやね。
困ったら兄貴に連絡するよ」
弟はそう言って予定があるからと出掛けて行った。
もう日付かわるで。
パリピかよ。
誰かに優しくできていないことに気付ける弟は素敵だなって思いました。
大人になれたと思えた日に1本だけ煙草を吸います。
その日は1本だけ吸いました。
かっこよくてお兄ちゃんになれていたら嬉しいな。